私は現在、年間で200回ほどの企業向け講演やセミナー、著作活動を通じて、全国の経営者や営業マン、店長、事務職など、様々な立場の人に一貫したメッセージを伝え歩いています。
そのメッセージとは、人間がもともと持っている天分とも言うべきいくつかの能力を思い出し、実践することが、劇的に企業の業績を上げ、仕事をする意味を別な次元に高める大きな転換になるというシンプルな事実です。
人は、「ない能力」を身に付けたいと願ったりしますが、実はそれは「本来備わっているもの」で、まだ磨いていないだけなのです。
本来備わっているものとは、テクニックや論理的思考能力といったものではなく、もっと情緒的で人間的な能力です。
私が今まで伝えてきたのは、次の2つの人間的能力をビジネスに活用する視点と方法です。
1.想いや価値が相手に豊かに伝わる「表現力」という能力。
2.感動を感じ、感動を生みだす「感動力」という能力。
お陰さまで、今までに上梓した著書は、重版を重ねてロングセラーになり、中国、台湾、韓国でも翻訳発売され、国境を越えてたくさんの人に、感動とビジネスの関係性を認知していただくことができました。
私の活動だけでなく、昨今の感動系映画の大ヒットや、サービス業におけるホスピタリティという概念によって、一般にも感動の素晴らしさを知る人が一気に広がってきたのは、とても歓迎すべきことだと思っています。
しかし、マスコミやビジネスの現場で、最近よく聞かれるようになった「感動を与える」という表現には、私は違和感を感じています。
なぜならば、感動は一方的に「与える」ものではなく、お互いに「共有する」ものだからです。
一方通行の行為は、自己満足という中途半端な状態に陥りやすいのです。
ビジネスと人生を飛躍させる可能性を持ったムーブメントが、表面的なブームで終わってしまわないように、本書では感動を豊かに共有するために欠かせない、もうひとつの能力の存在を取り上げてみたいと思います。
それが、「共感力」という能力です。
「共感力」は、人に「共感できる力」であり、人に「共感される力」でもあります。
共感力を通じて感動が共有された瞬間、そこには「共演者」という存在が生まれ、圧倒的なチームパワーが発生するのです。
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